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フォーナインズ誕生秘話-奇跡の歯車
当時、フリーの眼鏡デザイナーだった三瓶哲男が私の店にフレームを抱えてやってきたのは、13年ぐらい前でしたでしょうか。原宿のロイドさんからの紹介で 知り合いだった私達は、初対面のときから、なんとなく ウマがあい、すぐに うちとけることができました。その彼が、2年ほどたって、私の店に 自らのデザインしたフレームを見せに来てくれたのです。
Ｔシリーズという、きれいな そしてシンプルなセルフレームでした。
「このフレームを、ひとっさん＜彼は 私を初対面から そう呼んでいます＞おいてくれないか？」
断る理由など どこにもありません。二つ返事で引き受けた私でしたが、 このフレームこそ のちのち、日本の眼鏡業界始まって以来の奇跡を生み出すその始まりであろうとは、私、そして 本人、三瓶哲男も 想像もしませんでした。
しかし、この「奇跡の歯車」は、そのとき、ゆっくりと、そして間違いなく、回りはじめたのです。カメさん＜私は、彼をそう呼んでいます＞の もってきてくれた、4型4色16本のフレームは、私のお店の 一番目立つ場所に、ディスプレィされました。
部品一つ一つに、思いがこめられている
フレームデザイン種も多岐にわたる。あなただけの999.9がきっとある。
NO1かつ、ONLY1
お客様の評判もよく、僕自身にも 思い入れがあるものですから、そのフレーム達は、瞬く間に お客様に嫁ぐこととなりました。皆さんもご存知のように、メガネって2回ご来店いただくことが ほとんどです。お決めになられる時と、お渡しの時です。勿論、お決めになられる時に、このフレームをデザインしたカメさんのことや、フレームが作られた経緯など、いろんな話を、お客様に説明していました。カメさんが他のフレームのデザインの依頼を受けて、とても忙しい人で、しかも、とても 頑固者である事も・・・・・・。
受け渡しの時に、気に入られたお客様から、「今度、この人のフレームの新作は、いつ出るの？」と、何人にも聞かれました。困った私は、「本人曰く、1年後ぐらいと言っておりましたが・・・・・」
そして、一年近くたって、また16本ほど フレームが送られて来ました。
私はそのフレームを店に出さず、1年間、カメさんのフレームをお使いになられたお客様に、葉書で新作のリリースを、お知らせしました。そして2週間の間に、16人全員が 私の店に それこそ 秋鮭が川に戻ってくるようにご来店された時は、あいた口がふさがらず、思わずへらず口が出てしまいました。
それからしばらくして設立された「フォーナインズ」が、「ＮＯ１」の「ＯＮＬＹ１」に登りつめるまで、そんなに時間は かからなかったと覚えています。
（オーグリーラコンテ・ステラ・ロジータオーナーブログ２００６年１０月より転載)
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